NFTマーケットプレイスのおすすめ企業・サービス一覧

NFTマーケットプレイスとは？仕組みや選び方を解説

NFTマーケットプレイスは、ユニークなデジタル資産をトークンとして表現したNFT（非代替性トークン）を購入・販売するためのプラットフォームです。また、NFTマーケットプレイスの中にはNFTの発行を行うことができるものもあります。ここでは、NFTマーケットプレイスの仕組みや選び方、さらには日本国内外のマーケットプレイスを比較し、独自NFTマーケットプレイスを開発するための方法や費用についても解説します。

NFTマーケットプレイスの仕組み

NFTマーケットプレイスでは、基本的にはフリマ形式でNFTの売買が行われます。売り手は自分のNFTを出品し、価格を設定します。その後、買い手は出品されているNFTから好きなものを購入するといった流れです。NFTマーケットプレイスによっては、フリマ形式ではなくオークション形式でNFTの売買が行われることもあります。

NFTマーケットプレイスの運営側は、こうしたNFTの売買に手数料を設定することで収益を得ることができます。また、近年ではNFTを利用したINO（Initial NFT Offering）という資金調達方法が登場しており、これにNFTマーケットプレイスが利用されることもあります。INOが行われる場合、NFTコレクションの販売元がNFTマーケットプレイスにNFTの販売を委託する形になるため、NFTマーケットプレイスが売り手になります。

NFTマーケットプレイスを利用する利点は？

売り手と買い手の間で直接コンタクトを取り、ウォレット間でNFTを売買することも可能ですが、NFTマーケットプレイスを使ってNFTを売買することには大きなメリットが存在します。

NFTマーケットプレイスの主な利点は、取引のプロセスを簡素化し、セキュリティを向上させることです。ウォレット間で直接行われるP2P取引とは異なり、NFTマーケットプレイスではプラットフォームが仲介役を果たし、売り手と買い手の間の交渉や取引条件の合意を容易にします。また、NFTコミュニティに価値を提供するため、検索機能やオークション、ソーシャルメディア機能などを統合していることも利点のひとつです。

さらに、マーケットプレイスはクリエイターにとって特に重要な機能であるロイヤリティ分配機能を提供しています。この機能により、作品が再販されるたびに、オリジナルのクリエイターに自動的に利益の一定割合が自動で配分されます。これによりクリエイターの権利を保護すると同時に、継続的な収益源を確保できるという大きなメリットがあります。

また、NFTマーケットプレイスは、イーサリアムのERC-721やERC-1155などの標準化されたトークン規格に基づいて構築されています。これにより、ブロックチェーン上で発行されるあらゆるNFTはNFTマーケットプレイスに自動で認識され、クリエイターが自らの作品を手動でリストする必要性を大幅に低減し、購入者にとっても新しい作品を効率的に発見することが可能となっています。

NFTマーケットプレイスの使い方

NFTマーケットプレイスは、デジタルアセットやアートワークの売買を行うためのプラットフォームです。NFTを発行、販売、購入するための基本的なプロセスを以下に説明します。

NFTを発行する方法

ウォレットの準備：まず、イーサリアムやその他のブロックチェーンをサポートする仮想通貨（暗号資産）ウォレットを設定します。最も一般的なウォレットとしてはMetaMaskなどのノンカストディウォレットが挙げられます。

プラットフォーム選択：次に、NFTを発行したいマーケットプレイスを選びます。OpenSea、Raribleなどの有名なNFTマーケットプレイスはNFTの作成をサポートしていることが多いです。他にもNFTの発行を専門にするサービスも存在しています。

アカウントの作成： 選んだマーケットプレイスにアクセスし、アカウントを作成します。ウォレットと連携するだけで完了するケースと、電話番号やメールアドレス等の入力を求められるケースがあります。

NFTの作成：マーケットプレイス内で「Create」や「Mint」などのオプションを選び、アートワークやデジタルファイルをアップロードしてNFTに紐づけたいデジタルアイテムを指定します。詳細情報（タイトル、説明、価格など）を入力し、NFTを発行（ミント）します。

NFTを販売する方法

NFTのリストアップ： 発行したり外部で購入してきたNFTをマーケットプレイスにリストアップします。販売方法には「フリマ方式（固定価格）」や「オークション方式」などがあります。

販売条件の設定： 価格設定やオークション期間、ロイヤリティ設定など、販売に関する条件を詳細に設定します。

販売の実行： 条件を設定したら、販売を公開します。購入者が現れた場合、スマートコントラクトによって取引が自動的に処理されます。オークション方式の場合は入札やオファーが届くのでその条件を確認し、承認する必要があります。

NFTを購入する方法

マーケットプレイスの閲覧： さまざまなマーケットプレイスを閲覧し、興味があるNFTを探します。多くのプラットフォームでは、カテゴリやクリエイター名で検索することができます。

NFTの詳細の確認： 興味のあるNFTを見つけたら、詳細ページで作品の情報や価格、販売方法などを確認します。

購入の実行： 購入したいNFTを選び、「Buy now」や「Make Offer」などのオプションから購入プロセスを進めます。購入時にはウォレットに十分な通貨があることを確認し、取引を完了させます。

NFTマーケットプレイスを使う際の注意点

購入前のリサーチ

NFTの購入を考える際は、そのNFTがどのような価値を持っているのか、なぜその価値があるのかについてしっかりとリサーチすることが重要です。クリエイターの背景や、作品が持つ独自性、コレクションの希少性、コミュニティ内での評判など、多角的に情報を集めましょう。また、類似のアセットや過去の取引価格なども参考にすると良いでしょう。

セキュリティの考慮

NFTの取引においてはセキュリティが非常に重要です。不正アクセスやフィッシング詐欺から自身のウォレットを守るため、信頼できるウォレットの使用、二段階認証の設定、秘密鍵（やシードフレーズ）の保管方法などに注意しましょう。また、怪しいリンクや、信頼できないマーケットプレイスは避けるべきです。

ガス代との向き合い方

ブロックチェーンネットワークの混雑状況によって、ガス代が一定でないため、NFTの取引コストも変動します。特にイーサリアムは他のブロックチェーンに比べてガス代が高いことが多いです。そのため、「ガス代が安い時を狙う」「アービトラムやポリゴン、オプティミズムなどのレイヤー2ソリューションを利用する」など、ガス代節約のための戦略を検討しましょう。

長期的な視野

NFT市場は非常に変動が激しく、短期的な価値の変動に惑わされることなく、長期的な視点で取引を考えることが重要です。ユーティリティを持つ作品や、将来的に価値が高まる可能性があるプロジェクトへの投資を考えると良いでしょう。

コミュニティへの参加

NFTコレクターやクリエイターとの交流は、新たな情報の入手や知識の深化につながります。コミュニティへの参加それ自体が購入者にとって大きな価値があることも多いです。ソーシャルメディアやフォーラムを利用して積極的にコミュニティへ参加し、トレンドや新しいプロジェクトについて学びましょう。

NFTマーケットプレイスの選び方

NFTマーケットプレイスを選ぶ際は、様々な要素を考慮することが重要です。ここでは、要素の詳細について説明します。

ブロックチェーンの種類

互換性

使用しているウォレットや既に保有しているデジタル資産と互換性があるブロックチェーンに対応したマーケットプレイスを選びましょう。発行者の場合は、配布したいオーディエンスの属性などを考えてどのブロックチェーンが最適であるかを考慮するべきです。イーサリアムは最もポピュラーな選択肢ですが、ソラナやポリゴンなど他のブロックチェーンにもそれぞれ特徴があるため、検討が必要です。

取引コスト

それぞれのブロックチェーンには、取引のスピードやガス代（手数料）に違いがあります。特にガス代の高い時期には、費用対効果の高いブロックチェーンのマーケットプレイスを選ぶことが重要です。

マーケットプレイスの特徴

ユーザーインターフェイス

利用しやすさは重要な要素です。直感的で使いやすいユーザーインターフェイスを持つマーケットプレイスを選びましょう。

種類と取引量

取り扱っているNFTのカテゴリ（アート、音楽、不動産など）や規格（NFT-721やNFT-1155）はもちろんのこと、NFTの取引量も重要なポイントです。

セキュリティ

信頼できるセキュリティ対策が施されているマーケットプレイスを選ぶことが不可欠です。評判、ユーザーレビュー、セキュリティ対策の詳細を確認しましょう。

手数料の構造

販売時、または購入時にかかる手数料がどのような構造になっているか確認してください。隠れたコストがないかもチェックすることが重要です。

コミュニティとサポート

コミュニティ

強いコミュニティサポートを持つマーケットプレイスは、ネットワーキングや知識の共有に役立ちます。フォーラムやソーシャルメディアでの活動をチェックしましょう。

カスタマーサポート

万が一のトラブルや疑問に対して、迅速で効果的なサポートが提供されるかが重要です。カスタマーサポートのレビューを調べたり、事前に問い合わせてみるとよいでしょう。

販売方法と流動性

販売方法

固定価格、オークション、オファーによる販売など、様々な販売方法があります。あなたの目的に合った販売方法を提供しているか確認しましょう。

流動性

高い流動性を持つマーケットプレイスは、NFTを素早く適正な価格で売買できる可能性があります。取引の活発さや出品数を確認しましょう。

ロイヤリティのサポート

クリエイターロイヤリティ

NFTマーケットプレイスの選択において、クリエイターへのロイヤリティ支払いがサポートされているかどうかは非常に重要な要素です。この機能により、作品が再販されるたびに元のクリエイターに一定の割合の利益が還元されます。特にアーティストやコンテンツ制作者にとって、この機能は持続可能な収入源となりうるため、マーケットプレイスを選ぶ際にはそのサポートの有無を確認しましょう。

ロイヤリティのカスタマイズ

ロイヤリティの比率をクリエイター自身が設定できるかどうかも、マーケットプレイス選択の重要なポイントになります。柔軟にロイヤリティ設定ができるプラットフォームは、クリエイターにとって魅力的な選択肢と言えるでしょう。

日本国内・海外のNFTマーケットプレイスを比較

日本国内のNFTマーケットプレイス一覧

Coincheck NFT

Coincheck NFTは、国内最大級の暗号資産取引所であるCoincheckが運営するマーケットプレイスです。NFT初心者でも使いやすいシンプルな操作性が特徴で、出品・購入時のガス代がかからない点も特徴です。

Coincheckのサービスと一体化しているため、10種類以上のトークンで決済が可能という強みもあります。

対応するブロックチェーンはイーサリアムとポリゴンです。

DOSI(旧LINE NFT)

DOSI（旧LINE NFT）は、LINEグループのLINE NEXT Inc.によって運営されているNFTマーケットプレイスです。LINEユーザーであれば、スムーズにNFTの取引を始めることができる利便性が魅力です。

元々LINEグループはNFT事業を国内向けと海外向けで区分する戦略を取っていましたが、現在は事業統合しており、その結果、国内向けNFTマーケットプレイスであったLINE NFTはサービスを終了しDOSIに移管されました。

DOSIはLINEグループが開発するLINEブロックチェーン上に構築されており、ETH決済はもちろんのこと、LINEブロックチェーンのネイティブトークンであるFINSCHIAというトークンでも決済できます。またクレジットカードやLINE Pay、Google Pay、Apple Payなどの法定通貨建ての決済手段も利用可能です。

Adam byGMO

Adam byGMOは、GMOインターネットグループが運営するプラットフォームです。

Adam byGMOでは、日本円（クレジットカードや銀行振込）やイーサリアムでNFTを購入できるため、決済手段として仮想通貨（暗号資産）しか利用できない他のマーケットプレイスと比べ利便性が高いです。

ロイヤリティ分配の機能もあり、クリエイターは作品の二次販売からもロイヤリティ収入を得られます。Adam byGMOでは、このロイヤリティを最大20%に設定でき、他のマーケットプレイスに比べてクリエイターにとって有利な条件を提供している点が特徴です。

SBINFT Market

SBINFT Marketは、SBIホールディングス傘下のSBI NFT株式会社が運営しているNFTマーケットプレイスです。

通常の仮想通貨（暗号資産）による決済に加え、クレジットカードや銀行振り込みによる決済にも対応しています。よりスムーズな会計処理のため、2023年1月には新機能として「SBI Web3ウォレット」が導入されており、これにより、SBI VCトレード社がウォレットとNFTの完全な管理を代行し、ユーザーのトークンと日本円との即時変換機能を提供しています。

HEXA

HEXAは仮想通貨（暗号資産）を使わずに、日本円だけで簡単にNFTを購入、販売、または発行することが可能なNFTマーケットプレイスです。

NFT保有者専用のコミュニティ機能を提供しており、保有者同士で特別なコミュニケーションを楽しむことができます。また、購入したNFTは「HEXAメタバース」の空間に飾り、その美しさを楽しんだり、他のユーザーを招待することが可能です。

海外のNFTマーケットプレイス一覧

Opensea

Openseaは、2017年にサービスを開始した世界最大級のNFTマーケットプレイスです。イーサリアム、ポリゴンなどのレイヤー1ブロックチェーンだけでなく、OptimismやArbitrumなどのレイヤー2ブロックチェーンにも対応していることが特徴的です。

Blur

Blurは、近年急速にシェアを拡大しているNFTマーケットプレイスです。取引量に応じて独自トークンである「BLUR」をエアドロップ（配布）するなど、競合にはない施策を展開しています。

Magic Eden

Magic Edenは、ソラナにおいて最大級のシェアを持っているNFTマーケットプレイスです。ソラナだけでなく、ポリゴンやビットコインNFT（Bitcoin Ordinals）にも対応しているなど、競合があまり扱っていないブロックチェーン上のNFTに対応している点が特徴的です。

NFTマーケットプレイスを開発するためには？作り方や費用を解説

NFTマーケットプレイスの作り方は？

NFTマーケットプレイスの開発には、ブロックチェーン技術やスマートコントラクトに関する知識が必要です。また、決済システムの面でも仮想通貨（暗号資産）と法定通貨の交換に対応していた方が利便性は高くなりますが、その分規制面におけるハードルも高くなります。

NFTマーケットプレイスの費用は？

NFTマーケットプレイスの開発費用は、プロジェクトの規模や複雑さによって大きく異なります。初期投資として数百万円から数千万円が必要になる場合があります。NFTマーケットプレイスの開発には専門的な知識が必要となるため、作り方と合わせて一度問い合わせてみることをおすすめします。